トレンドインサイト編集部|初回公開:2026年3月30日|内容訂正:2026年9月21日
所得税の「178万円」と、健康保険の扶養・勤務先の社会保険加入は別の基準です。年収を増やすか考えるときは、税金だけでなく、保険料、勤務先の家族手当、働く時間も分けて確認してください。
最初に分ける4つの確認先
| 確認するもの | 何を見るか | 相談先 |
|---|---|---|
| 自分の所得税 | その年の給与・他の所得・所得控除 | 勤務先の給与担当、税務署 |
| 住民税 | 対象年度、前年の所得、自治体の非課税要件 | 市区町村の住民税担当 |
| 社会保険 | 自分の加入要件と家族の被扶養者認定 | 勤務先、加入している健康保険 |
| 家族手当 | 会社独自の支給規程 | 手当を受ける家族の勤務先 |
同じ「扶養」という言葉でも、上記が同じ収入額で切り替わるわけではありません。給与収入と、給与所得控除後の「所得」も区別します。
2026年分の所得税と178万円
給与以外の所得がない居住者の低い給与収入帯では、2026年分の給与所得控除の最低額74万円と基礎控除104万円を合わせた178万円が、所得税を考える一つの目安になります。ただし、基礎控除は本人の合計所得金額によって変わり、すべての人に104万円が適用されるわけではありません。国税庁の基礎控除の表と給与所得者と税を確認してください。
この所得税の目安から「住民税もゼロ」「家族の健康保険に入れる」とは判断できません。また、2026年分の改正は年末調整等の取扱いも確認が必要です。4月の給与から全員の手取りが増える制度として紹介することは適切ではありません。
社会保険は年収だけで決まらない
自分が勤務先の健康保険・厚生年金に加入する要件を満たすなら、家族の扶養に残るかを自由に選ぶことはできません。所定労働時間・日数、事業所、雇用期間などを確認します。短時間労働者の賃金要件の見直しについても、106万円の壁と加入条件で整理しています。
家族の健康保険の扶養については、2026年4月以降、給与収入のみの場合に労働契約内容から年間収入を判定できる取扱いがあります。原則130万円未満という収入要件だけでなく、同居・別居に応じた生計維持などの条件があり、諸手当・賞与も確認対象です。年齢などによる別の基準もあります。契約期間や労働時間・手当額が不明確な場合にこの取扱いを使えないこともあるため、日本年金機構の必要書類・留意事項を確認してください。「残業代は何でも除外できる」という説明ではありません。
子ども・子育て支援金は一律月300円ではない
「独身税」は正式名称ではなく、独身者だけに課される税でもありません。2026年度の被用者保険の支援金率は0.23%で、原則として事業主と折半します。月々の本人分は標準報酬月額に0.0023を掛け、その半分が基本です。国民健康保険は市区町村、後期高齢者医療は広域連合の定めにより異なります。平均の試算を自分の請求額と置き換えないでください。出典:こども家庭庁・支援金制度。
例えば標準報酬月額が28万円なら、28万円×0.0023÷2=月322円という計算です。これはその標準報酬月額を仮定した例であり、給与の振込額から計算した数字でも、賞与を含めた年間負担額でもありません。
勤務時間を変える前の確認メモ
- 現在と変更後の週の所定労働時間・日数、雇用期間、月給・手当・賞与の見込みを並べる。
- 勤務先へ、社会保険の加入対象になる月と本人負担の見込みを確認する。
- 扶養を外れる場合は、家族の健康保険と家族手当の届出も確認する。
- 税金・保険料だけでなく通勤費、保育費なども含めて、変更前後の家計を比較する。
同じ年収でも、加入する保険、自治体、家族構成、控除で手取りは変わります。この記事では「この年収なら全員が得」となる線を設けません。
よくある質問
103万円以下なら住民税もかかりませんか?
一律には言えません。住民税の年度と自治体の非課税要件、本人の所得・扶養状況を確認してください。
交通費はすべて非課税ですか?
いいえ。所得税の通勤手当の取扱いは交通手段等で異なり、社会保険の収入判定とも同じではありません。給与担当へ両方を分けて確認してください。
勤務先の家族手当も178万円まで受け取れますか?
会社の規程によります。税制の変更だけで自動的に同じ額になるとは限りません。
支援金は独身者だけが払いますか?
いいえ。婚姻や子どもの有無だけで負担の有無が決まる制度ではありません。
税金の通知に誤りがありそうなときは?
申告書・源泉徴収票・通知書を用意し、該当する税の窓口へ確認します。住民税の通知書と訂正の相談先も参照してください。
関連:4月の制度変更。本記事は公表資料の整理で、個別の税務判断や保険の認定を代行するものではありません。

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