トレンドインサイト編集部(生活・お金担当)公開 2026.07.16出典:帝国データバンク「食品主要195社」価格改定動向調査(2026年6月30日発表)
スーパーで「また上がってる」と感じる回数が、今年に入って明らかに増えていませんか。それもそのはずで、2026年の食品値上げは年間2万品目ペースという、調査開始以来でも異例の水準に達しています。
しかも来月以降がさらに厳しい。帝国データバンクが6月30日に発表した最新調査によると、9月の値上げは3,029品目。これは2026年で最多です。この記事では、公表データをもとに「何が・どれだけ・なぜ」上がるのかを整理し、あなたの家計への影響額まで試算できるようにしました。
結論:2026年の値上げは「9月が山場」
9月は2026年で最多。単月で3,000品目を超えるのは2025年10月(3,161品目)以来11か月ぶりです。年間累計は1〜11月の判明分ですでに14,902品目に達しました。

なぜ今、これほど上がるのか|原因は「中東」だった
今回の値上げラッシュには、これまでとは違う特徴があります。値上げ理由の24.7%が「中東情勢」に由来しているという点です。
ホルムズ海峡の混乱により原油とナフサ(石油由来の原料)が高騰しました。ナフサは食品トレーやフィルム、包装資材の原料です。つまり、中身の食材ではなく「包む材料」の値段が上がって、食品価格を押し上げているという構図です。
92.5%
71.9%
69.8%
24.7%
編集部が注目したのは「包装・資材」が前年同月から10.5ポイントも上昇している点です。原材料高(92.5%)は3月以降むしろ低下傾向にあるのに対し、資材とエネルギー由来のコストが新たな押し上げ要因として台頭しています。これは中身が同じでも値段が上がることを意味し、消費者からは理由が見えにくい値上げになります。
何が上がる?|分野別の内訳
| 分野 | 2026年の品目数 | 代表的な商品 |
|---|---|---|
| 加工食品 | 5,780品目 | 冷凍食品、パック米飯、即席めん、缶詰 |
| 調味料 | 3,467品目 | だし、たれ、醤油、みそ |
| 酒類・飲料 | 2,913品目 | 第三のビール、発泡酒、輸入ワイン、焼酎 |
| 原材料 | 606品目 | 小麦粉、精製糖 |
※2026年通年(1〜11月判明分)の累計。加工食品は前年の通年実績(4,791品目)をすでに上回っています。
特徴的なのは「加工食品」が突出していることです。冷凍食品やパック米飯といった、共働き世帯や一人暮らしが時短のために使う商品が中心になっています。つまり「忙しい人ほど値上げの影響を受けやすい」構造です。
一方で、酒税法改正の影響でビール製品は減税分の値下げが発生しています。値上げ一色に見えて、実は品目ごとに事情が違います。
値上げ率は平均11%|「実質値上げ」にも注意
値上げ1回あたりの平均値上げ率は11%です。ここで見落とされがちなのが、この調査には価格据え置きで内容量を減らす「実質値上げ」も含まれている点です。
レジで払う金額が同じでも、中身が減っていれば家計の実質的な負担は増えています。「値段が変わっていないから大丈夫」と思っている商品ほど、実は影響を受けている可能性があります。
この先どうなる?|年内は続く見通し
帝国データバンクは、中東発の値上げラッシュは今夏に本格化し、年内は続く見込みとしています。理由は複合的です。
- 中東情勢:ホルムズ海峡の混乱による石油製品の供給不安
- 円安:1米ドル160円を超える局面もあり、輸入コストが上昇
- 異常気象:小麦など穀類の不作リスク
- エネルギー:電気代の上昇が製品価格に転嫁
注目すべきは、値上げの原因が個々の食品メーカーの都合ではなく、国際情勢と為替という「個人にはどうにもできない要因」である点です。つまり、待っていても下がる見込みは薄いということになります。
では、家計はどう守るか
食費の値上げは避けられません。国際情勢が原因である以上、個人の努力ではどうにもならない領域です。
そこで編集部が現実的だと考えるのは、「食費で削るのではなく、固定費で取り返す」という発想です。食費の節約は毎日の我慢が必要ですが、固定費の見直しは一度やれば効き続けます。
特に電気・ガスは、政府の補助が2026年は7〜9月使用分のみに限定されており、再エネ賦課金も4.18円/kWhへ上昇しました。つまり食品と光熱費が同時に上がっている状況です。
よくある質問
Q. 値上げはいつまで続きますか?
Q. なぜ中東情勢で食品が上がるのですか?
Q. 9月に特に上がるものは何ですか?
Q. 値段が変わっていない商品は影響なしですか?
Q. 家計を守るために今すぐできることは?
まとめ
- 9月は3,029品目で2026年最多:単月3,000品目超えは11か月ぶり
- 年間14,902品目・2万品目ペース:5年連続で年間1万品目を突破
- 原因の24.7%が中東情勢:ホルムズ海峡の混乱→原油・ナフサ高→包装資材→食品価格
- 加工食品が最多の5,780品目:冷凍食品・パック米飯など、時短派ほど影響大
- 平均値上げ率は11%:内容量を減らす「実質値上げ」も含まれる
- 年内は続く見通し:国際情勢・円安・異常気象が要因のため個人では避けられない
食費は上がり続けます。だからこそ、我慢で削るのではなく、一度やれば効き続ける固定費の見直しで取り返すのが現実的です。
本記事の数値はすべて帝国データバンク「食品主要195社」価格改定動向調査(2026年6月30日発表)に基づきます。品目数および値上げは各社発表に基づき、年内に複数回値上げを行った品目はそれぞれ別品目としてカウントされています。値上げ率は発表時における最大値です。価格据え置き・内容量減による「実質値上げ」も対象に含まれます。
電気・ガスに関する数値は、経済産業省(再エネ賦課金2026年度単価)および電気・ガス料金支援の公表値によります。


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