夏バテだと思っていたら秋の花粉かもしれない|ブタクサは8月下旬から

生活・節約

✍️ トレンドインサイト編集部|カテゴリ:生活・節約|2026年8月18日公開

出典:環境省「花粉症環境保健マニュアル」

お盆を過ぎたあたりから、鼻がぐずつく。目がかゆい。だるさが抜けない。

夏バテか、冷房で体が冷えたか、夏風邪か。だいたいそのあたりで片づけてしまう。ただ、この時期にはもうひとつ候補がある。

環境省の「花粉症環境保健マニュアル」には、ブタクサやヨモギなどのキク科と、カナムグラ(アサ科)は夏の終わりから秋にかけて飛散していると書かれている。花粉は春だけのものではない。

この記事では、秋に飛ぶ花粉の種類と、夏バテ・夏風邪との切り分け、そして環境省が挙げている対策を整理する。あわせて、対策が「窓を閉める」に寄ることで光熱費に跳ねる点にも触れる。

📋 この記事でわかること

  • 秋に飛ぶ花粉の種類(キク科とアサ科)
  • 春の花粉との違い。秋のイネ科には抗原性がないという事実
  • 夏バテ・夏風邪との切り分け方
  • マスクで花粉は3分の1〜6分の1に。インナーマスクなら99%以上
  • 編集部の見解:窓を閉めると電気代が上がる。どこで折り合いをつけるか

結論:8月下旬からの不調は、秋の花粉の可能性がある

環境省のマニュアルによれば、日本で報告されている花粉アレルギーは約60種類、そのうち花粉症は約50種にのぼる。よく知られているスギ・ヒノキは樹木の花粉だが、秋に問題になるのは草の花粉だ。

分類 主な植物 飛散する時期
キク科 ブタクサ、オオブタクサ、ヨモギ 夏の終わりから秋にかけて
アサ科 カナムグラ 夏の終わりから秋にかけて
イネ科 カモガヤ、オオアワガエリ など 種類が多く、春から初秋までの長い期間
樹木 スギ、ヒノキ 春が中心。秋にも少量飛散することがある

ここで押さえておきたいのが、マニュアルに書かれている一文だ。「春のイネ科には抗原性がありますが、秋のイネ科にはありません」。イネ科の花粉は春から初秋まで長く飛ぶが、秋のイネ科は花粉症の原因にならないとされている。

つまり秋に症状が出る場合、候補はキク科(ブタクサ・オオブタクサ・ヨモギ)とアサ科(カナムグラ)に絞られる。「イネ科かもしれない」と考える必要は、秋についてはない。

ちなみに、日本で最初に報告された花粉症はブタクサ花粉症である。マニュアルには、1960年代にブタクサ花粉症、次いでスギ花粉症の報告がされたと書かれている。スギより先に見つかっていた。

夏バテ・夏風邪との切り分け

症状だけを見ると重なる部分があるため、次のような点で見当をつけることになる。

見る点 花粉症で見られやすい 風邪で見られやすい
続く期間 飛散している間ずっと続く 数日から1週間程度で治まる
目の症状 かゆみ・涙が出る(アレルギー性結膜炎) 目のかゆみは出にくい
出る場所 屋外や換気時に強くなることがある 場所による差は出にくい
毎年の再現 同じ季節に繰り返す 季節との関係は薄い

環境省のマニュアルは、「自分がどんな季節に症状が出るかで、原因となる花粉を推定できます」としたうえで、耳鼻咽喉科などの専門の医療機関で原因花粉を特定する検査を受けることが可能だと書いている。上の表はあくまで見当をつけるためのもので、確定させるには検査が要る

なお、スギ・ヒノキ以外の花粉症では、皮膚が荒れる、咳や喘息が起きるといった出方をすることもあるとされている。鼻と目だけを見ていると見落とすことがある。

環境省が挙げている対策と、その効果

マニュアルの対策部分には、効果の数字まで書かれている。

対策
鼻に入る花粉をどれだけ減らせるか(環境省マニュアルの記載より)
対策なし
 
マスク
吸い込む花粉が3分の1〜6分の1に
インナーマスク
99%以上の花粉除去率

マスクの装用だけでも、吸い込む花粉をおよそ3分の1から6分の1に減らせるとされている。性能の良いマスクでは95%以上をカットできるものもあるが、マニュアルが強調しているのは顔にフィットするものを選ぶことだ。横に隙間ができると、そこから入ってしまう。

そのうえで挙げられているのがインナーマスクである。市販のガーゼと化粧用のコットンで作るもので、これをすると市販のどんなタイプのマスクでも99%以上の花粉除去率を示したと書かれている。

インナーマスクの作り方(環境省マニュアルより)

材料:市販のガーゼ、化粧用のコットン、不織布のマスク

① 化粧用のコットンを丸めて、1枚のガーゼでくるむ(これがインナーマスク)

② 市販の不織布マスクに、もう1枚のガーゼを4つ折りにしてあてる

③ 鼻の下に、ガーゼでくるんだコットンを置く

④ ②のマスクを装着する

そのほか、マニュアルには次の点も挙げられている。

  • 花粉は昼前後と夕方に多く飛散する。外出のタイミングを選べるならこの時間帯を避ける
  • 帰宅したときは家の中に花粉を持ちこまない
  • コンタクトレンズよりメガネのほうがよい。レンズによる刺激がアレルギー性結膜炎の症状を増幅する可能性がある
  • 睡眠をよくとり、規則正しい生活で免疫機能を保つ。飲みすぎ・喫煙は鼻の粘膜のために控える

✍️ 編集部の見解:窓を閉めると、光熱費が上がる

秋の花粉対策は、突きつめると「外の空気を入れない」に集約される。ところがこれが、8月下旬から9月という時期と相性が悪い。

この時期は、日中は暑いが朝晩は過ごしやすくなる。本来なら窓を開けて冷房を止められる期間にあたる。花粉を避けようとすると、その選択肢を手放すことになる。冷房を使う日数が延びれば、その分だけ電気代が乗る。

ここで効いてくるのが、電気・ガス補助の終了時期だ。国の電気・ガス料金支援は9月使用分までとされており、10月使用分以降の扱いは現時点で公表されていない。花粉で窓を閉めたい時期と、補助が薄くなる時期が重なる

そのうえで、折り合いのつけ方としては次の順序が現実的だと編集部は考えている。

まず、換気を完全に止めない。花粉の飛散が多いのは昼前後と夕方とされているので、早朝や夜に短時間だけ開けるほうが、一日中閉め切るより負担が小さい。冷房の運転時間も抑えられる。

次に、体に入る量を減らす対策を優先する。窓を閉めるのは部屋全体への対策だが、マスクやメガネは自分の顔まわりだけで完結する。コストがかからず、光熱費にも跳ねないという点で、順序としては先に来る。

最後に、症状が続くなら医療機関で確定させる。原因が花粉なのかどうかで、打つ手が変わる。夏バテだと思って生活を変えても、原因が花粉なら効かない。切り分けができていない状態で対策にお金をかけるのが、いちばん無駄になりやすい

よくある質問

▶ Q. 秋にも花粉症があるのですか?
あります。環境省の「花粉症環境保健マニュアル」には、ブタクサやヨモギなどのキク科と、カナムグラ(アサ科)は夏の終わりから秋にかけて飛散していると書かれています。日本で最初に報告された花粉症はブタクサ花粉症で、スギ花粉症より先に報告されています。
▶ Q. 春は平気なのに秋だけ症状が出ることはありますか?
あります。花粉症は原因となる花粉ごとに別の抗体が作られるため、スギに反応しない人がブタクサやヨモギに反応することは起こりえます。マニュアルは「自分がどんな季節に症状が出るかで、原因となる花粉を推定できます」としており、耳鼻咽喉科などで原因花粉を特定する検査を受けることも可能だと案内しています。
▶ Q. 秋のイネ科の花粉も原因になりますか?
環境省のマニュアルには「春のイネ科には抗原性がありますが、秋のイネ科にはありません」と記載されています。イネ科の花粉は種類が多く春から初秋まで長く飛散しますが、秋に症状が出る場合の原因としては、キク科(ブタクサ・オオブタクサ・ヨモギ)やアサ科(カナムグラ)が候補になります。
▶ Q. マスクはどれくらい効果がありますか?
マニュアルによれば、マスクの装用で吸い込む花粉をおよそ3分の1から6分の1に減らし、鼻の症状を軽くする効果があるとされています。性能の良いマスクでは95%以上をカットできるものもありますが、重要なのは顔にフィットすることです。横に隙間ができるとそこから花粉が入ります。さらにインナーマスクを併用すると、市販のどんなタイプのマスクでも99%以上の花粉除去率を示したと報告されています。
▶ Q. 外出する時間帯で違いはありますか?
マニュアルには、一般的に花粉は昼前後と夕方に多く飛散すると書かれています。外出や換気のタイミングを選べるなら、この時間帯を避けるほうが負担は小さくなります。また、花粉の飛散している季節はコンタクトレンズよりメガネに替えたほうがよいとされています。

まとめ

  • ブタクサ・ヨモギ(キク科)とカナムグラ(アサ科)は夏の終わりから秋にかけて飛散する
  • 秋のイネ科には抗原性がない。秋に症状が出る場合の候補はキク科とアサ科に絞られる
  • 日本で最初に報告された花粉症はブタクサで、スギより先だった
  • 数日で治まらず、目のかゆみを伴い、毎年同じ季節に繰り返すなら花粉の可能性がある。確定には検査が要る
  • マスクで3分の1〜6分の1、インナーマスクなら99%以上。大事なのは顔にフィットすること
  • 花粉は昼前後と夕方に多い。換気は早朝や夜に短時間のほうが、冷房費にも跳ねにくい

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📱 窓を閉める季節が延びるなら、先に固定費を見ておく

花粉で換気を減らせば、冷房を使う日数はその分だけ延びる。使用量は減らしにくいので、下げるなら単価か、別の固定費のほうになる。通信費は手続きの翌月から効くので、光熱費が上がる前に着手しておくと差が出る。

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※【出典】
・環境省「花粉症環境保健マニュアル」(ブタクサやヨモギなどのキク科とカナムグラは夏の終わりから秋にかけて飛散、春のイネ科には抗原性があるが秋のイネ科にはない、1960年代にブタクサ花粉症・次いでスギ花粉症が報告、これまでに約60種類の花粉アレルギーが報告されうち花粉症は約50種、マスクの装用は吸い込む花粉をおよそ3分の1から6分の1に減らす、インナーマスクをすると市販のどんなタイプのマスクでも99%以上の花粉除去率、一般的に花粉は昼前後と夕方に多く飛散、花粉の季節はコンタクトレンズよりメガネがよい、スギ・ヒノキ以外の花粉症では皮膚が荒れる・咳や喘息が起きることがある、原因花粉を特定する検査が可能)
※【免責】本記事は公表されている情報をもとに編集部が整理したものであり、診断や治療を目的としたものではありません。症状の原因を特定するには医療機関での検査が必要です。症状が続く場合や強い場合は、耳鼻咽喉科などの専門の医療機関にご相談ください。飛散する時期や量は地域・年によって異なります。

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