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106万円の壁の見直し|週20時間だけでは決まらない社会保険の加入条件

トレンドインサイト編集部|公開:2026年8月2日|内容訂正:2026年9月21日

「106万円の壁」がなくなることは、週20時間だけで全員の社会保険加入が決まるという意味ではありません。勤め先の適用状況、労働時間、雇用の見込み、学生の扱いなどを合わせて確認します。

2026年10月の賃金要件の扱い

厚生労働省の適用拡大Q&Aは、月額8.8万円以上という賃金要件を2026年10月に撤廃する予定と案内しています。「106万円」は月額8.8万円を年換算した呼び方で、給与明細の年間合計だけで判定する制度ではありません。

勤務先へ確認するときは、現在の要件と、対象になる勤務月の要件を区別してください。制度改正の案内と個々の資格取得の手続きは別です。最新の適用については日本年金機構の適用拡大の案内をご確認ください。

「4分の3基準」と短時間労働者の要件を分ける

パート・アルバイトでも、同じ事業所の通常の労働者と比べ、週の所定労働時間と月の所定労働日数がそれぞれ4分の3以上なら、一般の加入基準の確認が必要です。短時間労働者向けの「週20時間」という話だけで、自分は対象外と判断しないでください。

4分の3基準を満たさない場合は、特定適用事業所等で働く短時間労働者の要件を確認します。日本年金機構の資格取得要件FAQに整理されています。

勤務先と確認したい事項
項目 確認する内容
事業所の適用 企業規模だけでなく、適用事業所か、任意の適用をしているか
所定労働時間・日数 4分の3基準か、短時間労働者の週20時間以上か
雇用の見込み 2か月を超える雇用の見込み等。短い契約でも更新の見込みを確認
学生の扱い 原則の除外だけでなく、休学・定時制・通信制等の例外も確認
賃金要件 撤廃前後の対象月を区別。単純な年収合計だけで判定しない
その他 年齢、複数勤務先、最低賃金の減額特例等、個別の条件

学生であっても、休学中や定時制・通信制課程などは対象となる場合があります。詳しくは学生の扱いのFAQを確認してください。学生というだけで、すべての加入基準から外れるわけではありません。

企業規模は、店舗にいる人数をそのまま数えない

企業規模の人数は、単純な店舗の在籍人数ではありません。厚生労働省の説明では、法人の場合は法人全体で、現在の厚生年金保険の加入対象者を基に数えるとされています。フルタイムと、所定労働時間がフルタイムの4分の3以上の従業員が基礎となります。

企業規模要件の段階的な縮小の案内
従業員規模 時期
51人以上 現在の対象
36〜50人 2027年10月から
21〜35人 2029年10月から
11〜20人 2032年10月から
10人以下 2035年10月から

この表だけで加入日を確定することはできません。任意の適用、通常の労働者の加入基準、事業所の形態などが関わります。「小さな店だから2035年まで関係ない」とは決めつけず、給与担当へ確認します。

家計への影響は、現在の負担と新しい見積もりを並べる

配偶者の扶養に入っていた人と、国民年金・国民健康保険料を自分で払っていた人では、比較の出発点が違います。ただし、どちらも個別の保険料や世帯の条件を確認せず「必ず損」「必ず得」とは言えません。

旧版では特定のモデル額を全員に当てはめ、扶養から外れると月12,500円増える、国保から移ると月8,000円減ると説明していました。実際の保険料は標準報酬月額、加入する健康保険、年齢などで異なります。国民健康保険料も自治体や世帯の所得等によって違います。

編集部の比較メモ。金額は自分の明細・勤務先の見積もりで埋めます
確認欄 加入前 加入後
本人の保険料 現在の国民年金・国保等の実額 健康保険・厚生年金等の見込額
勤務時間と給与 現在の契約と手取り 変更する場合の給与見込み
家族への影響 扶養・勤務先手当の条件 変更の有無と時期
保障 現在使える制度 加入後の給付と受給要件

年金と健康保険の保障を、同じ「回収年数」にしない

厚生年金は老齢厚生年金に加え、要件を満たす場合に障害厚生年金・遺族厚生年金などがあります。健康保険には、条件を満たす休業等に対する傷病手当金や出産手当金があります。加入するだけで、すべての給付が無条件に受けられるわけではありません。

健康保険料まで合計して老齢年金の増加額だけで割ると、医療や休業中の保障を含む支払いと、年金の一部分だけを比較することになります。旧版の「93歳で回収」という数値を就労判断の基準にしないでください。年金見込額は加入期間等で変わるため、ねんきんネットや年金事務所で自分の条件を確認します。

保険料を軽減する制度は、自動適用と考えない

日本年金機構の保険料調整制度の案内では、制度を利用する事業所に勤務する対象者について、短時間労働者であることと標準報酬月額126,000円以下などの条件が示されています。本人が希望すればどこでも使える制度ではなく、事業所側の適用状況の確認が必要です。

勤務先へは「制度を利用する予定があるか」「自分が対象か」「いつから、給与明細にいくら反映されるか」を確認します。軽減率や期間は、自分の標準報酬と適用条件に対応した案内で確認し、旧版の一律半額の計算をそのまま流用しないでください。

よくある質問

週20時間未満なら必ず加入しなくてよいですか?

そうとは限りません。4分の3基準など別の条件もあるため、勤務先へ確認してください。

会社の人数は店舗のアルバイトも全員足せばよいですか?

単純な在籍人数ではありません。法人全体の厚生年金の加入対象者など、公式の数え方を確認します。

学生はすべて対象外ですか?

いいえ。一般の加入基準や、休学・定時制・通信制等の例外があります。

国保から移ると必ず保険料が下がりますか?

個別の所得・保険料・世帯条件次第です。現在の納付額と勤務先の見込額を並べます。

税の扶養と社会保険の扶養は同じですか?

別の制度です。住民税の所得・控除の確認とも分けて整理してください。

この記事は一般的な確認手順で、個別の資格取得や保険料を判定するものではありません。勤務先、日本年金機構、加入する健康保険の窓口へご確認ください。誤りのご連絡はお問い合わせをご利用ください。

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