お中元・帰省土産…夏に地味に増える「隠れ出費」の正体

生活・節約
TI
トレンドインサイト編集部(生活・お金担当)
公開 2026.07.31
出典:マイボイスコム調査/総務省統計局「家計調査」/WILLER MARKETING調査

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お中元、帰省の手土産、夏祭りの屋台代、友人との飲み会——夏は1件2,000〜5,000円程度の支出が、断続的に発生する季節です。

この金額は、それ単体では家計を揺るがしません。だからこそ家計簿に記録されず、意識にも残りません。そして夏休みが終わる頃にカード明細を見て「思ったより使ってる」と気づく。この記事では、その正体と、来年から繰り返さないための具体策を整理します。

夏の「ついで出費」を積み上げると

まず金額感を把握します。マイボイスコムが10,263人を対象に行った調査では、1人が1年に贈るお中元は2〜3件、1件あたりの相場は3,000〜5,000円とされています。これだけで6,000〜15,000円です。

ここに帰省の手土産、夏祭り、レジャーが重なると、次のようになります。

項目 1件あたり 件数 小計
お中元(調査値) 3,000〜5,000円 2〜3件 6,000〜15,000円
帰省の手土産 2,000〜3,000円 2件 4,000〜6,000円
夏祭り・花火大会 3,000〜5,000円 1〜2回 3,000〜10,000円
子どものおこづかい・お盆玉 3,000〜5,000円 1〜3人 3,000〜15,000円
夏の飲み会・BBQ 4,000〜6,000円 1〜2回 4,000〜12,000円

お中元の相場・件数はマイボイスコム調査(n=10,263)に基づく。その他は編集部が一般的な価格帯から置いた想定値で、家庭により大きく変わります

夏の「ついで出費」合計(帰省の交通費を除く)
少なめに見積もっても
約2万円
重なると
約5.8万円

しかもこれは帰省の交通費を含まない金額です。東京〜新大阪を家族4人で往復すると交通費だけで約9万円かかるため、帰省する年は合計で10万円を超えることも珍しくありません。

なぜ家計簿に残らないのか

金額そのものより厄介なのは、これらが記録に残りにくいという性質です。理由は3つあります。

  • ①1件が少額で「特別費」と認識されない:3,000円は日常の買い物と同じ感覚で処理されます。「特別費」として記録するのは旅行や家電のような大きな支出だけ、という人が大半です
  • ②決済手段が分散する:屋台は現金、お中元はネット通販のカード払い、手土産は駅ナカで電子マネー。1か所の明細を見ても全体像がつかめません
  • ③「今月だけ」で処理される:夏だから仕方ない、と例外扱いすると、翌年また同じ「例外」が起きます。毎年起きることは例外ではなく、予定された支出です

8月は構造的に支出が増える月

体感の問題だけではありません。総務省統計局の家計調査でも、レジャー関連の支出は8月に増える傾向が示されています。夏休みという長期休暇があり、帰省とレジャーが重なるためです。

さらに8月は、ついで出費以外の負担も同時に増えます

  • 電気代:エアコンの稼働時間が最も長い月です
  • 食費:子どもの学校給食がないぶん、昼食の負担が増えます
  • 帰省の交通費:繁忙期料金が適用されます

つまり8月は「ついで出費」「光熱費」「食費」「交通費」が同時に山を迎える月です。1つひとつは小さくても、重なるから効きます。

対策は「都度払う」から「先に枠を取る」へ

解決策はシンプルです。季節出費を、毎月の固定費と同じように扱うこと。手順は3ステップです。

STEP1|年間の季節出費を洗い出す

夏だけの問題ではありません。1年を通して、金額の大きい月は決まっています。

時期 主な季節出費
1月 お年玉・正月の帰省・初売り
3〜4月 入学・進級準備・歓送迎会・新生活用品
5月 GWのレジャー・自動車税
7〜8月 お中元・帰省・手土産・夏祭り・お盆玉・電気代
11〜12月 お歳暮・忘年会・クリスマス・年末の帰省
不定期 冠婚葬祭・車検・家電の買い替え

昨年のカード明細と通帳を1年分さかのぼると、自分の家の実額が出せます

STEP2|合計を12で割る

洗い出した年間合計を12で割り、毎月の積立額にします。仮に年間の季節出費が24万円なら、月2万円です。

この数字を見て「そんなに払えない」と感じたなら、それはすでに払っているのに認識できていなかったということです。金額が変わったのではなく、見えるようになっただけです。

STEP3|専用の置き場所をつくる

最も重要なのがこれです。生活費の口座に置いたままでは必ず溶けます

  • 季節出費専用の口座を分ける:ネット銀行なら口座開設も振替も無料でできます。給料日に自動振替を設定してしまえば、以降は意識しなくて済みます
  • 目的別に「袋分け」できるアプリ機能を使う:銀行によっては1つの口座内で目的別に資金を仕分けできる機能があります
  • 使ったら記録する、ではなく、枠から出す:あらかじめ確保した枠から支出する形にすると、記録し忘れても残高で管理できます

これで「思ったより使ってる」が「想定内」に変わります。支出を減らすのではなく、驚かないようにするのが目的です。

枠が確保できないときは、固定費から

季節出費の積立額を捻出できない場合、削るべきは季節のイベントではなく固定費です。お中元をやめても年1万円ですが、固定費を月5,000円下げれば年6万円で、しかも翌年以降も続きます。

順番としては、サブスクの棚卸し(10分)→ 電気・ガスの契約確認(30分)→ スマホ代の見直し(1時間)。この3つで年7万円前後が浮くケースがあり、それがそのまま季節出費の原資になります。

季節出費の原資をつくる

電気・ガスの補助は2026年10月で終了します。まず固定費がいくら増えるかを把握しましょう。

よくある質問

▶ Q. お中元はやめてもいいものですか?
やめる場合は、いきなり止めるのではなく「暑中見舞い」などの挨拶状に切り替えるのが角の立たない方法とされています。また、お中元とお歳暮の両方を贈っている相手なら、どちらか一方(一般にはお歳暮)に絞るという選択もあります。関係性によるので一律の正解はありませんが、「今年から簡素にします」と一度伝えておくと以降が楽になります。
▶ Q. 季節出費の積立は、どこに置くのが正解ですか?
1年以内に使うお金なので、投資には回さず、すぐ引き出せる預金に置いてください。値動きのある商品に入れると、使いたいタイミングで元本割れしている可能性があります。ポイントは利回りではなく「生活費と物理的に分けること」です。
▶ Q. 家計簿が続きません。それでも管理できますか?
できます。むしろ記録型より枠取り型の方が続きます。1円単位で記録するのをやめ、「季節出費は月2万円の枠」とだけ決めて専用口座に移す。あとはその残高だけを見ればよく、レシートの管理は不要です。家計簿が続かないのは意志の問題ではなく、手間に対して得られる情報が少ないからです。
▶ Q. 自分の家の季節出費、どうやって調べればいいですか?
昨年分のカード明細と銀行通帳を1年分さかのぼるのが最も正確です。1月・5月・8月・12月に注目し、他の月より支出が多い分を拾い上げてください。カードの明細はWebで過去1年分をダウンロードできることが多く、CSVで落とせば月別の集計も簡単です。1〜2時間の作業で、来年以降ずっと使える数字が手に入ります。
▶ Q. すでに8月に入ってしまいました。今年はもう手遅れですか?
今年の分は間に合わなくても、「今年いくら使ったか」を記録するだけで来年の準備になります。夏が終わった時点でカード明細を見て、季節出費の実額をメモしておいてください。それが来年の積立額の根拠になります。むしろ使った直後の記録が最も正確なので、いま始めるのは悪いタイミングではありません。

まとめ:驚かないための仕組みをつくる

  • 夏の「ついで出費」は1件2,000〜5,000円。お中元は1年に2〜3件・1件3,000〜5,000円が調査値
  • 積み上げると帰省交通費を除いて約2万〜5.8万円。帰省する年は10万円を超えることもある
  • 記録に残らない理由は①少額で特別費と認識されない ②決済手段が分散 ③「今月だけ」で処理される
  • 8月はついで出費・電気代・食費・交通費が同時に山を迎える月。統計でもレジャー支出は8月に増える傾向
  • 対策は①年間の季節出費を洗い出す ②12で割る ③専用口座に自動振替の3ステップ
  • 目的は支出を減らすことではなく、驚かないこと。枠が足りなければ削るのは季節のイベントではなく固定費

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※出典:マイボイスコムのお中元に関する調査(10,263人)、総務省統計局「家計調査」、WILLER MARKETING「2026年夏(お盆)の帰省コストに関する最新アンケート調査」。お中元以外の金額は編集部が一般的な価格帯から置いた想定値であり、実際の支出は家庭・地域・関係性により大きく異なります。

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