✍️ トレンドインサイト編集部|カテゴリ:お金・制度|2026年8月11日公開
出典:厚生労働省「マイナンバーカードの健康保険証利用(マイナ保険証)について」/「資格確認書について(マイナ保険証を使わない場合の受診方法)」
財布に入ったままの健康保険証を、まだ使えると思っている人は少なくない。しかし2026年8月1日から、期限切れの健康保険証は本当に使えなくなった。
従来の健康保険証の有効期限は、そもそも2025年12月1日で終了している。ただしその後も「期限切れに気づかず持ってきた場合は使えることにする」という運用が続いていた。厚生労働省の公式ページには、その対応も2026年7月31日で終了すると明記されている。つまり先月末で、最後の猶予が切れた。
同じ7月末で、もうひとつ期限を迎えたものがある。後期高齢者医療制度の資格確認書の暫定措置だ。75歳以上の家族がいる世帯は、8月以降の扱いが変わっている可能性がある。
この記事では、8月1日に何が終わったのかを公式情報で確定させたうえで、自分や家族に資格確認書が届くのかどうかを判定できる形に整理する。
📋 この記事でわかること
- 2026年7月31日で終わった2つの経過措置
- 資格確認書が「申請なしで届く人」と「申請が要る人」の違い
- 見落としやすい:マイナンバーカードは持っているのに対象になる条件
- 75歳以上の家族がいる場合に、8月以降どこへ確認するか
- 受診日に手元に何もないときの対応
結論:8月1日に終わったのは「2つの猶予」
まず、何が終わったのかをはっきりさせる。厚生労働省の記載を整理すると、こうなる。
| 対象 | 終了日 | 8月以降どうなるか |
|---|---|---|
| 期限切れの健康保険証を持参した場合の利用 | 2026年7月31日 | 受付で使えない。マイナ保険証か資格確認書が必要 |
| 後期高齢者医療制度の資格確認書(暫定措置) | 2026年7月31日 | 8月以降の交付は加入先の広域連合の案内による |
| 従来の健康保険証そのものの有効期限 | 2025年12月1日 (終了済み) |
2024年12月2日以降は新規発行もされていない |
ポイントは、制度としての期限はすでに去年12月に切れていたということだ。今年8月に変わったのは「うっかり持ってきた人を救済する運用」がなくなったこと。制度が新しく厳しくなったのではなく、最後のセーフティネットが外れたという段階にあたる。
受付で出せるものは2つだけ
医療機関・薬局の窓口で提示するものは、次のどちらかになる。
2026年8月以降、窓口で提示するもの
① マイナ保険証(健康保険証の利用登録をしたマイナンバーカード)
② 資格確認書(マイナ保険証を持っていない人に交付される)
※ 従来の健康保険証は、有効期限内のものであっても2025年12月1日で期限が終了している
マイナ保険証を使う場合は、窓口に置かれている顔認証付きカードリーダーで受付をする。持っていない人には資格確認書が出ているはずなので、それを提示する。
資格確認書は誰に届くのか
ここが最も誤解されている。資格確認書は、原則として申請しなくても届く。厚生労働省は「当分の間、マイナ保険証を保有していない方全てに、資格確認書が無償で申請によらず交付される」としている。
申請しなくても交付される人
- マイナンバーカードを取得していない人
- マイナンバーカードは持っているが、健康保険証としての利用登録をしていない人
- マイナ保険証の利用登録解除を申請した人・登録を解除した人
- マイナンバーカードの電子証明書の有効期限が切れている人
申請が必要な人
- マイナンバーカードでの受診が困難で配慮が必要な人(高齢の方、障害のある方など)で、交付を申請した人。この場合、更新時の申請は不要
- マイナンバーカードを紛失中・更新中の人
見落としやすい:カードを持っていても対象になることがある
上のリストで注意したいのが、電子証明書の有効期限切れだ。
マイナンバーカード自体の有効期限と、カードに搭載された電子証明書の有効期限は別物で、電子証明書のほうが先に切れる。カードは手元にあって期限内なのに、電子証明書だけ期限切れという状態が起こりうる。この場合、顔認証付きカードリーダーでの受付ができない。
「マイナンバーカードを持っているから自分は資格確認書の対象外だ」と考えていると、実際には対象なのに届いた封筒を見落としているということが起こる。カードを持っている人ほど、届いた郵便物を確認しておきたい。
75歳以上の家族がいる場合は、8月以降の扱いが変わる
後期高齢者医療制度に加入している人には、これまで2026年7月末まで有効な資格確認書が交付されていた。これは暫定的な措置で、期限が先月末で切れている。
厚生労働省は、8月以降の資格確認書の交付については「ご加入の後期高齢者医療広域連合からの情報をご確認ください」としている。つまり、全国一律ではなく、加入先の広域連合ごとに案内が出る形になっている。
75歳以上の家族がいる世帯は、本人の手元に8月以降有効なものが届いているかを、家族が確認しておくのが確実だ。高齢の本人が届いた封筒を開けていない、あるいは古いものと新しいものが混在している、というのは実際に起こりやすい。
手元に何もないときはどうするか
受診日になって、マイナ保険証も資格確認書も見当たらない。この場合にまず連絡する先は、自分が加入している医療保険者である。
資格確認書は保険者が交付するもので、様式や発行形態も保険者によって異なる。有効期限も5年以内の範囲で保険者が設定するため、全国共通の見た目や期限があるわけではない。「どこに問い合わせればいいか」の答えは、勤務先の健康保険組合・協会けんぽ・市区町村の国保窓口・後期高齢者医療広域連合のいずれかということになる。
なお、申請は本人以外でもできる。従来の健康保険証と同様に、親族などの法定代理人のほか、介助者による代理申請も可能とされている。本人が窓口へ行くのが難しい場合でも手段はある。
✍️ 編集部の見解:困るのは「自分は関係ない」と思っている層
この移行で実際に困るのは、マイナンバーカードを作っていない人ではないと編集部は見ている。その層はすでに資格確認書を受け取っており、窓口で出すものがはっきりしている。
むしろ危ういのは、カードを作った時点で手続きが終わったと思っている人だ。健康保険証としての利用登録をしていない、あるいは電子証明書が切れている。どちらも本人の自覚がないまま起こる。そして「カードがあるから大丈夫」と考えているぶん、届いた資格確認書を重要な書類だと認識していない。
もうひとつ、期限の設計が世帯単位で揃っていないことも実務上やっかいだ。後期高齢者医療の暫定措置は7月末で切れたが、それ以外の保険者が交付する資格確認書の有効期限は5年以内で保険者が決める。同じ家の中で、期限も様式もばらばらということが普通に起こる。家族分をまとめて一度に確認できる仕組みがないというのが、この制度の使いにくいところだと考えている。
お盆で家族が集まる時期でもある。高齢の親と会う機会があるなら、財布の中身を一度見せてもらうのが最も確実な確認方法になる。
よくある質問
まとめ
- 2026年8月1日から、期限切れの健康保険証は窓口で使えない。持参した場合に利用を認める対応が7月31日で終了した
- 従来の健康保険証の有効期限はすでに2025年12月1日で終了している。8月に終わったのは救済運用のほう
- 窓口で出せるのはマイナ保険証か資格確認書の2つだけ
- 資格確認書は申請なしで届くのが原則。カードを持っていても、利用登録をしていない・電子証明書が切れている場合は対象
- 後期高齢者医療の暫定措置も7月末で終了。8月以降の扱いは加入先の広域連合の案内による
- 有効期限は5年以内で保険者が設定。家族で期限も様式もそろわないため、個別の確認が要る
あわせて読む
- 2026年10月「106万円の壁」撤廃|週20時間の壁へ|同じ社会保険でも、加入する側の条件が変わる話
- 2026年10月に変わること全まとめ|秋にかけて動く制度をまとめて確認する
- 【2026年版】固定費見直しの完全マップ|制度変更が続く年に、家計側で備える
📱 制度が動く年こそ、固定費は先に軽くしておく
今年は社会保険の適用拡大、保険証の切り替え、10月の各種改定と、家計に関わる変更が続く。制度側の負担は自分では動かせないが、毎月の固定費は動かせる。通信費は一度見直せば効果が続くので、優先度が高い。
→ 【2026年】スマホ代、平均より払いすぎ?タイプ別に選ぶ格安SIMの見直し方でタイプ別に確認できる。
※【出典】
・厚生労働省「マイナンバーカードの健康保険証利用(マイナ保険証)について」(従来の健康保険証は2024年12月2日以降新規発行を終了、有効期限は2025年12月1日で終了。期限切れの保険証を持参した場合に利用可能とする対応は2026年7月31日で終了)
・厚生労働省「資格確認書について(マイナ保険証を使わない場合の受診方法)」(申請によらず交付する対象、申請により交付する対象、有効期限は5年以内で保険者が設定、後期高齢者医療制度は2026年7月末まで有効な資格確認書を交付し8月以降は広域連合の案内による)
※【免責】本記事は公表されている情報をもとに編集部が整理したものです。資格確認書の様式・有効期限・交付方法は加入している医療保険者によって異なります。個別の取り扱いは、勤務先の健康保険組合・協会けんぽ・市区町村の国民健康保険窓口・後期高齢者医療広域連合など、ご自身の保険者にご確認ください。



コメント